ハヤテのごとく! 全52巻を読破する

筆者

・1期放送でにハマって原作・ドラマCD・キャラソン・「ボクがロミオでロミオがボクで」「お嬢様プロデュース大作戦(学校編)」プレイ済。
・2期本編リアタイ・「アツがナツいぜ 水着編!」視聴済。ドラマCD聴取済。「ナイトメアパラダイス」は未プレイ
・同人誌編で原作から脱落。
・劇場版はキャラデの違和感はあるけど割と好き。小説の存在にこの頃くらいに気づいて1巻しか読めてないです……
・3期は音楽関連以外はあんま好きじゃない……。4期は嫌いじゃないくらい。

言葉の定義など

個人的に「〇〇編」と呼ぶときは大体以下の範囲を指してるつもりです。

11~12巻 下田編
16~17巻 アテネ編
19~25巻 GW編 (ミコノス編)
27~40巻 同人誌編 (ルカ編・アパート編)
※32巻からデザイン一新・36巻から次巻予告追加。
41~43巻 イクサ編
45~48巻 修学旅行編

コミックス各編の感想

初期

1~3巻あたりは基本的にメインキャラクターは屋敷のマリア・クラウス・タマ、ナギの幼馴染にあたる咲夜ワタル伊澄のみで話が回ります。ド貧乏人のハヤテと金持ち達のズレの対比が軸で終始ドタバタギャグというか1話完結の流血コメディ。マリアさんが一番ヒロインしてた時期。

そういえば後にクラウスが空気化したから結局ハーマイオニーに関する誤解とか触れられないままでしたねーと思ったけどアニメで繰り返し出たくらいで原作だと誤解は1発ネタでしたっけ?読み返したばかりなのに自信が持てない記憶力ェ……

ラブコメ化

ハヤテが4巻で白皇に入学したあたりから登場人物ががっと増えますね。
白皇の人物も基本金持ちでズレてるのでともすると同じことの繰り返しにしかならないんですが5巻あたりからヒナギクと歩が本格的にヒロインとして台頭してくるという変化が生まれます。

アニメ1期でもこのあたりのエピソードから多少拾ってはいるんですが時系列入れ替えたりアニオリ挟んだりしつつかなりギャグ的に脚色してるのでギャグアニメに徹してる感じがありますね。

そのままラブコメ濃度が高まっていって一番初期路線とラブコメを両立させてるのが下田編あたりかなあ。

ここらへんをメインに拾ってるのはアニメ2期ですね。1期がスルーしたラブコメエピソードも拾ったりしたのでかなりラブコメ純度の高いアニメになりました。
ギャグギャグ言ってるけど実は2期も好きなんですよねー。1期は深夜34時のギャグアニメとして完成された作品を創り上げてくれましたが原作の今後の展開をアニメにするなら俄然2期のスタッフでやってほしいな~とか読んでる当時は思ってました。叶わぬ願いでしたが

アテネ編

転機はここらへんかなー。
アテネ編の時はハヤテで長編シリアスが新鮮だし「綾崎ハヤテ」が仕上がっていく過程に興味が有ったから1巻くらい費やしても問題なかったんですけど原作者が長編シリアスを描くことに躊躇が無くなったって意味で不吉な兆候だったのかな、と今は思います。

最後までハヤテ側が過去を意識することはありませんでしたが過去開示によって泉のヒロイン度がピークに高まったあたり。
いじめられるのとかスキだし」が人気出たからヒロインキャラに軌道修正されてたように思ってしまうところもあるけど生徒会三人娘好きとしては泉がいたから終盤の方でも出番があったというところを否定できないので複雑ですね。

GW編

ミコノス編呼びがデフォかなーと思いつつラスベガスに渡ったワタルもいるのでGW編ということで。
要するにナギが相続権を失って屋敷からアパート暮らしになるエピソードですね。
いま一気見するならともかく連載当時は長くて(GWの出来事に1年かかってた)ダレてたけどまあドラマチックな展開ではあるじゃないですか。何も知らずとも石を砕くナギは確かにかっこいいし。テンポに関して多少手を加えればアニメ映えしそうな部分ですよ。まあこの部分はアニメ化されなかったので関係ありませんでしたけども

余談。ナギハヤテ視点以外にも橘ワタルに関する掘り下げがここで有ったのは結構ありがたいと思うんですよね。財にものを言わせられる他キャラと違ってワタルはシリアス展開だと動かしづらいのでこの後の長編連発路線だと何も物語に絡まないままフェードアウトとかもあり得なくないですから……。31巻のけじめの話とかここがあってこそです。

同人誌編

リアタイで私が脱落したエリアです。だから半分知ってて半分初見。
当時はこのあたりでこの漫画の存在を忘れたってくらいで特にこのエピソードに何の感情も無かったんですが、一気読みして認識を改めました。間違いなく戦犯です。

まあ何がダメかというととにかく長い。しかもただ長いんじゃなくて薄くて長い。

この話がナギに挫折を経験させるための重要なエピソードであることもわかるけど、
えっちらおっちら寄り道しながら現実で3年かけてるんですよ。3年。
ちょっとしたバトル漫画ならラスボス倒してる時間です。作者の「ここまで来たならそうそう打ち切られないだろ」みたいな慢心を感じます。まあ事実同人誌編のあとも3年続いてるのでその認識は間違ってないわけですが……

そしてこのエピソード、ミコノス編の「ナギが遺産を失った」というエピソードを特に生かせていない家も簡単に手に入ってるし帝と繋がりのあるマリア・借金返済のため実質タダ働き状態のハヤテの給金も特に心配ない。ナギは元々人嫌いだし行動範囲も狭いので屋敷じゃないと生きていけない程ではない。

つまり、ナギがこの変化によって特別不自由することって無いんですよ。
物語的にそれほど意味を為していないのにギャグに対して「初期のような金にものを言わせたスケールの大きいギャグができない」「敵襲が減って派手なアクションが無い」という制約だけできている。

そしてこの制約が地味に厄介。32巻あたりがかなりそれに苦しめられてます。

派手な展開もスケールの大きいギャグもできず話のネタに困る

別に「ハヤテのごとく!」じゃなくても成り立つなんか良い話エピソードが続く

「なんか良い話」な雰囲気を出すために画面の文字を減らし結果スペースができる
ギャグシーンと違い散らばる破片や描き文字が使えないことによりそれが特に埋まらない

全体に余白の多い上7年の連載を経てリアル調に近づいた背景とデフォルメの強まったキャラによる不調和なイラストが前面に押し出される

話も面白くない上に絵面も良くない。更に言うとデザイン変更も相まってスカした感じが出てきたので読み手のギャグに対するハードルも高まって来ててマジで地獄なんですよね。一応後半本格的に執筆始まるあたりで持ち直してはいるんですが。

それはそうと同人編のキーマンである水蓮寺ルカ。
「親にクリスマスイブ1億5000万の借金を押し付けられ働きづめることで自力でなんとか返済しているアイドル」という共感ステータスのめちゃくちゃなインフレにびっくりします。そうでもしないとすぐ行動してすぐ退場してくれないというのはわかりますが……
低迷期の同人編の象徴ということで色々背負わされてしまったところのある彼女でしたが劇場以降のメディアミックス展開で一番恩恵を受けたというか救われてると思います。キャラクター名義でソロアルバムが出せるというのが既に凄いことだけどその上良曲揃い。今でも定期的に聞いてます。クリエイターの皆さん、特にルカのカリスマ性に説得力を持たせる演技をしてくれた山崎はるかさんに多大な感謝。

イクサ編

ここから完全初見。

アテネ編あたりから示唆されてたハヤテ兄・綾崎イクサ(戦部大和)がようやく登場です。
一気読みしたからリアタイ勢よりブランクは短いはずなのに「ようやく」って感じです。本当に。

畑先生の作品は俗に言うところのスターシステムを採用していて南野宗谷とかギルバートとかちょこちょこ出てたんですけどここでガッツリ接続させてくるわけですね。
スターシステムというのは得てして自己満足になりやすいものですがこの話はあり。
ナギが諸々を取り戻したことで最終局面に切り替わっていくわけですがそのための助走に丁度いいシリアスさとコメディがあります。

修学旅行編

「白皇の五大行事・修学旅行レベル5」とかいう滅茶苦茶さや周囲のノリが初期を思い返せてくれて懐かしいですね。当然ハヤテにかかってるものは初期と比べ物にならないのでシリアス展開になるわけですがダラダラしすぎない程度にギャグが挟まって大分読みやすいです。

そしてアニメ3期(そんなものはない)から逆輸入したツグミルリも何気に登場。アニメ1期の姫神と原作の姫神が全然違うみたいなノリですね。

ラスト

諸々の総まとめ。

……でありながら使い捨てヒロイン・牧瀬恋葉が登場したりします。正直これに関してはマジで意味が分からん。ルカみたいな短期的ヒロインにするならもっと設定インフレさせてくるだろうしだからと言って新ヒロイン投入するような時期でもないし。何がしたかったんだろう。

白皇の時計塔内って見覚えある気がしたんですけど原作だと初出なんでしたっけ。「ボクがロミオでロミオがボクで」とかで見たんだっけ……?

ナギ大勝利エンドなのは納得ですねー。一応この物語はずっとナギの成長物語だったはずなので。ただまあラストでナギが一気に苦学生みたいな生活になってるのは笑っちゃった。2年でそんなに体力を……。

西沢さんの幻想ルートはかなり切なかったですね……。実際には不幸体質のハヤテがあんな上手くヤクザ撒けるわけないだろ!とかそういうのは置いといてそれでも現実を選んだ西沢さんは強い。まあそこらへんとかヒナギクのラストとかは月並みなことしか言えないので作者のコメントでも貼っておこうと思います。


あとは雪路がしれっとTV出ててビックリしました。薫先生はなんなら後を追って芸能界入りそうだけとどうなったんだろう……?ナギが去った屋敷にタマ・シラヌイを迎えに行く伊澄咲夜は有能。

総括

13年の連載中で方向性大分変わったなあ……。

正直もっとめちゃくちゃなEND(全員死亡とか)の可能性すら予期してたので思いのほかまとまったエンディングになってて安心しました。読んでた当時気になってた姫神やハヤテ兄の正体もしっかり明かされてたのがかなり嬉しかったですね。
アニメ1期から入ったのでやっぱ初期の路線が好きではあるけど原作は原作で畑先生にしか出来ないことを極めたのかなーと思います。

全体を見渡すとやっぱり同人編中期あたりがもったいなかったなー。あのあたりは3期全体と4期ラストの筋書き作ってた時期だと思うけど、それで本人の儲けになるならともかく無賃労働って言ってるなら猶更普通に原作通りアニメ作って貰ったほうが良かったと思う……。3期と4期は半年しか空いてないあたりたぶん最初から2クール確保してたんだろうし。
あと日比野文-シャルナは良いキャラしてるのに活かし方間違えた感じがありますねー。本筋に関わらないから箸休めには良いけどメインに据えすぎると展開を停滞させてるだけになってしまう。
あとは絵柄の変化。最初から風呂シーンあっても健全にしか見えない絵柄の漫画でしたがデフォルメキツくなってからは完全に「これいる?」だったなあ……と。多分展開が長くてラブコメ要素自体ダレてたりもあるとは思うんですが。この作品に関しては藤井昌宏氏(アニメ2期)のリファインが神だった。

初見部分でなく数年ぶりに再読した部分の感想の変化としては瀬川虎鉄がめちゃくちゃ好きになりました。お前中盤以降完全に便利キャラ扱いなのに健気だよ……健気な変態だよ……。最終回どこ行ったんだよお前……

まだまだ言いたいことはいっぱいありますがひとまずこのへんで。久々に読んでまさかこんな長文書くほど心が動くとは思ってませんでした。ナイトメアパラダイス手に入れてそのうち感想書こうと思います……。では!

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